口内炎や扁桃炎などの皮膚粘膜症状で初発するベーチェット病
IgA腎炎はどんな病気?扁桃炎と関係がある?
体調不良を訴えている女性

IgA腎炎はどんな病気?扁桃炎と関係がある?

慢性糸球体腎炎の約30%を占めているのがIgA腎炎です。
原因は未だによく分かっていませんが、体内に何らかの抗体が侵入した際にIgA抗体が作られてそれが複合体となって沈着することで発症するのではないかと言われています。
また、慢性扁桃炎とも関連性があるようです。
実際に、IgA腎炎の患者さんの中には慢性扁桃炎の人が多いことや、慢性扁桃炎の患者さんはIgA腎炎が悪化しやすいという報告が数多くの医療施設から報告されています。
そして、扁桃摘出を行うとIgA腎炎が良くなったという症例報告も多いことが日本腎臓病学会でも報告されています。

IgA腎炎は長期にわたって自覚症状が無い状態で経過して、健康診断や人間ドックの際の尿検査で異常を指摘されて発見されることが多い疾患です。
あるいは、風邪をひいた時にトイレでオシッコをしたら真っ赤な血尿が出ます。
見た目が派手な血尿なので、びっくりして医療機関を受診して発覚するというパターンも多いです。
健康診断や人間ドックでの検尿異常は、尿にタンパクが混じっていたり、腎臓の血管壁からの出血のため尿に赤血球が混じっていたりします。
つまり、尿たんぱくが+だったり、尿潜血反応が+という状態になるのです。
専門医たちはこれらを、「チャンス血尿」や「チャンスタンパク尿」と呼んでいます。

知らないうちにIgA腎炎になっていても、通常は自覚症状がなく見た目は健康です。
そのため、人間ドックや健康診断を受けないとなかなか見つからない病気なので、偶然に検尿で異常が発見されたことは治療へとつながるチャンスだと考えているのです。
その他に、尿沈渣と言って尿を遠心分離器にかけてその上澄みを顕微鏡で観察する検査で、変形赤血球や赤血球円柱と言うものが見られます。
これも腎臓の血管壁から出血している証拠です。
また、採血をするとIgAという項目の数値が高くなっていることもあります。

最終的な診断には、腎臓の組織を少しだけ採取してそれを顕微鏡で見るという生検が必要になることが多いです。
また、生検はその後の治療方針を決定するうえでも、疾患の予後を予測するうえでも重要な検査と考えられています。

IgA腎炎は治りにくい病気ですか

IgA腎炎で人工透析や腎臓移植が必要となる末期腎不全となる確率は10年間で15~20%ほどだとされています。
20年間では約40%弱です。
しかし、小児で発症した場合は成人になってから発症したケースと比べると予後が良いことが判っています。
治療は、ステロイドやRA阻害薬による薬物療法がメインとなります。
ステロイドと聞くと、顔が満月のようになるムーンフェイスなどの副作用のことばかりが頭に浮かぶでしょう。
しかし、ステロイド以上に糸球体腎炎の炎症を抑えてくれる薬はほとんどありません。

そしてステロイドはもう60年以上も前から使われている薬です。
副作用ばかりが強いだけの薬が半世紀以上も使い続けられているのは、メリットがデメリットを上回るからです。
ステロイドは、決して自分の判断で量を加減したり飲むのをやめたりしないことが、非常に重要です。
これは肝に銘じておいて欲しいことです。

中等度以上の場合は、ステロイドパルス療法と言って大量のステロイドを投与して(大量療法)、炎症を鎮めます。
大量療法と聞くと非常に不安になるかもしれませんが、担当医は様々な副作用のことも十分に承知のうえで使うし、副作用への対処法も既に心得ています。
その他に、免疫抑制薬や抗血小板薬を使ったり、扁桃摘出術を行うこともあります。
ステロイドパルスだけでは2~3割しか治療効果が見られなかったケースが、扁桃摘出とステロイドパルスで6~7割に上昇したと2008年の日本腎臓病学会では報告されています。

日常生活の中で患者さん自身が出来ることとしては、減塩がありますし、腎機能の低下がある場合はたんぱく質の制限も必要で栄養士から栄養指導があるでしょう。
その他に、肥満している人は減量しましょう。
禁煙は当たり前のことです。

RA阻害薬やステロイドなどで改善しているケースもあるし、同じ病名でも症状や病状などは一人一人違います。
まさに十人十色、千差万別なので色々と調べた数字だけに囚われないようにしましょう。