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扁桃炎がきっかけで発症することが多い、アレルギー性紫斑病

薬を飲んでいる男の子

10歳前後の子供ではいわゆる風邪(上気道炎)などで扁桃炎を発症するのはよく見られる経過ですが、なかにはそれらの症状に引き続いて蕁麻疹のようなわずかに盛り上がった発疹や出血斑などが全身に出現することがあります。
これがアレルギー性紫斑病と呼ばれる病気で、2-10歳くらいの年齢の男性に発症例が多い傾向があり、年間10万人あたり10-20人程度の発症数と見られています。

アレルギー性紫斑病の主な症状は血管性の出血斑や関節痛・腹痛やむくみなどです。
出血斑は足関節などを中心に左右対称に出現することが多いのが特徴です。
上肢や顔面・体躯などにも現れる表面に盛りあがりを伴っているのが特徴です。
血液検査をしても血小板数が減少するなどの傾向がないので、アレルギー反応によって血管から血液が漏れやすくなることが出血斑の原因と考えられており、血小板現象による血液傾向ではなく、血管性の出血が関与していると考えられています。

関節痛は約3分の2の患者に出現する症状で、主に足関節のほか手関節に出現することがあります。
血管性出血斑同様に左右対称に現れるのが特徴です。
関節痛についで多いのが腹痛で約半分の患者に見られるとされていますが、急性腹症と誤診されることもあるほど強い痛みの場合も珍しくないとされています。
時に便潜血などを認めることもあり、感染症や食中毒との判別に難渋することもあるようです。

男性の小児患者が多いアレルギー性紫斑病ですが現在のところ、その破傷原因は完全に解明されているわけではありません。
有力な見解として主張されているのは免疫機能に関連するIgA抗体に何らかの異常がおき全身の血管に炎症をきたしているというものです。
扁桃炎などの先行感染に引き続いて発症すると見られており、上気道炎が主な疾患ですがなかには蓄膿症を併発していることもしばしば経験されます。
先行感染の病原菌は溶連球菌やブドウ球菌などのほかマイコプラズマなどが知られています。

むくみが観察されたら腎機能が悪化しないように要注意

アレルギー性紫斑病の診断のためには、発症に先行する3週間以内に扁桃炎にかかった事実の有無やアレルギー症状を引き起こす可能性もある虫さされの有無などを問診で確認します。
血管性出血斑や関節痛や腹痛などの特徴的な自覚症状などの確認にあわせて、確定診断のために血液検査を行います。
これらの症状が出現している急性期に検査を行うと、血沈(血液沈降速度)の増加や白血球や好酸球などの増加も見られるので有力な診断材料になります。
これらの数値はいずれも体内で炎症反応が発生していることを示唆するものです。
血液検査ではIgA抗体の増加なども観察することができるので免疫反応の異常を検知しアレルギー性紫斑病の診断をする上では重要なデータを提供してくれます。

ところでアレルギー性紫斑病との確定診断がついても、約4週間ほどで症状は軽快するので特別な治療を行う必要はないとされています。
血管性出血斑が見られますが、血小板減少を原因とするものでもないので消化管出血や脳出血などの合併症の心配もありません。

ただひとつ注意が必要なのは腎臓機能への障害です。
腎臓は毛細血管の塊のような臓器なので、血管炎の影響を強く受ける可能性があるからです。
現にアレルギー性紫斑病の患者の半数程度には尿にたんぱく質検出などの異常を認めるとされています。
腎機能の異常が3ヶ月以内に出現することが多いですが、1年程度経過して出現することもあるのです。

まれに腎機能障害が急速に進行し腎不全状態になり人工透析を余儀なくされる場合もあります。
そのため症状が酷い場合には副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤の投与が必要な場合があるのです。
仮に病状がおさまっても腎機能検査を定期的に行う必要があります。